この記事では、「スワップポイント」について、以下のような悩みや疑問に応えられるよう「スワップポイント」に潜むリスクも交え詳しく説明しています。
- FXでは「スワップポイント」がもらえると聞いたが、よく意味が分からない
- スワップ狙いのトレードをこれからしようと思っている
- 「スワップポイント」が多いということは、何かしらのリスクがあるのではないかと思っている
「スワップポイント」とは?
「スワップポイント」とは、政策金利に連動し、金利差のある2国間の通貨を取引することによる、その通貨間の金利差調整分のことを言います。
低金利の通貨を売り、高金利の通貨を買うことでその2通貨間の金利差分の「スワップポイント」を受け取ることができ、反対に、高金利の通貨を売り、低金利の通貨を買うとその2通貨間の金利差分の「スワップポイント」を支払うこととなります。
また、各国の政策金利も変動しますので、必ず決まった金額の「スワップポイント」をもらえるわけではなく、「スワップポイント」も増えたり減ったり、あるいはプラスマイナスが逆転することもあります。
「スワップポイント」はいつもらえる?
「スワップポイント」は営業日をまたいで持っているポジション、いわゆるロールオーバーしたポジションに対して発生するため、その日のうちに決済するスキャルピングやデイトレードなどでは発生しません。
基本的に毎日「スワップポイント」は発生し、組み合わせ通貨によりますが、数円~数十円の「スワップポイント」が日々もらえます。
ただ、土日や世界的な祝日などを挟む場合は数日分をまとめてもらえたりもします。
「スワップポイント」の金額は、日々の為替レートや短期金利市場の動き、または各FX会社によっても異なりますので、自分が使っているFX会社で各通貨ペアの「スワップポイント」が何曜日にいくらもらえるかは確認する必要があります。
高金利通貨とは?
高金利通貨の種類
「スワップポイント」狙いで取引される主な通貨として、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソなどが挙げられます。
以前は、ドルやポンド、オーストラリアドルやニュージーランドドルなども「スワップポイント」狙いで取引されることもありましたが、最近ではそれら通貨の金利も下がってきており、現在は新興国通貨が「スワップポイント」狙いでは中心となってきています。
高金利通貨のリスク
高金利通貨は金利が高い反面、当然リスクもあります。
高金利ということは通貨としての信用が低いため、金利を高く設定しないと海外からお金を集められないという理由があります。
得てして新興国通貨は、政治的、経済的、地政学的リスクが大きく、一度信用が崩れれば一気にその国の通貨が売られたりする為替変動リスクが先進国に比べて大きいです。
また、新興国はインフレリスクも高く、インフレにより物価が上がれば通貨の価値も下がるため、一般的には通貨としての価値は下落していく傾向にあります。
例えば、下図1は南アフリカランド円の月足チャートですが、ここ15年近く右肩下がりに下がっているのが分かるかと思います。
下図2はトルコリラ円の月足チャートです。
こちらもやはりここ10年以上下落傾向にあります。
このように、高金利通貨を保有するのであれば、これらリスクをしっかりと認識した上で保有しないと、後々こんなつもりじゃなかったとなることもありますので、お気を付けください。
「スワップポイント」は儲かる?
外貨預金の代わりに低レバレッジで「スワップポイント」狙いの高金利通貨を買うという手法もありますが、個人的には、せっかくFXをやるのであればレバレッジを効かせて為替差益で大きく稼ぐチャンスがあるので、「スワップポイント」はおまけ程度で考え、為替差益で稼ぐことを目指した方がいいと思います。
また、先ほど述べたようなリスクもあり、世界的な金融危機の際には高金利通貨は売られやすくなることなどから、為替差損が発生する可能性も高いです。
このようなことから、「スワップポイント」狙いで高金利通貨を低レバレッジで持つことは個人的にはあまりお勧めしません。
安定的なインカムゲインを得たいのであれば、米国ETFなどへの投資の方がいいと私個人は考えます。