これから投資を始めようと思っていてFXに興味はあるが、大金を失った話を聞いたり、身近な人からFXはやめとけと言われたりして悩んでいませんか?
- FXで大金を失ったという話を聞くので怖い
- FXを始めようと思っているが、どのようなリスクがあるのか知りたい
- FXは危険だからやめとけと知り合いから言われた
結論から言うと、FXのリスクは自分自信でコントロールできます。
もちろん、リスクとリターンはトレードオフの関係ですので、リスクを減らすとその分得られるリターンは少なくなる面もあります。
FX自体は初心者の方も取り組みやすい投資対象ですので、「FXはリスクがあるからやらない」ではなく、「なぜリスクがあると言われているのか?」「リスクを抑えるためにはどうすればいいか?」を知ることが大切です。
私もFXを始めた当初に大金を失った経験があります。
その時は、リスクの回避方法をよく分かっていなかったために大きな失敗をしてしまいましたが、今であれば、何故そのようなリスクを取ってしまったのか、そうならないためにはどうすればいいかを理解しているので、同じようなことは起こさない自信があります。
私の過去の経験も踏まえ、なぜリスクを取ってしまうのか?そのリスクを抑えるにはどうすればいいのか?を合わせて説明します。
投資としてのFX、リスクが高いと言われる5つの理由
FXはリスクが高く危険だと言われるのは、実際に大金を失った人が何人もいるからです。
それには、FXの仕組み自体の問題よりも、トレードする人のメンタル面の問題が大きいです。
理由1. レバレッジをかけられる
FXでトレードをするときに「レバレッジ」をかけることにより、実際の資金の何倍もの金額の通貨を取引することができます。
FXの場合、最大レバレッジ25倍までの取引が可能で、このレバレッジをかけられる点が、FXはリスクが高いと言われるFX自体の仕組みとしての主な原因でもある反面、大金を稼げる可能性のある最大の魅力でもあります。
特に、FXを初めて間もない初心者の方が、高レバレッジでトレードをして利益を得ると、「こんな簡単に稼げるんだ!」と思い、そのままレバレッジの高いトレードを続けてしまいがちです。
そして、運だけで勝ち続けることはできず、いつかは大きく負け越してしまいます。
しかし、レバレッジは自分でコントロールすることができます。
例えばトレードする時のポジション数を少なくしたり、証拠金を多めに用意したりすることにより、低レバレッジでトレードすることで、リスクを抑えることができます。
安定して勝てるようになるまでは低レバレッジでトレードすることを心掛け、それをしっかりと守ればレバレッジを怖がる必要はありませんし、逆に、ここぞという時はうまくレバレッジを活用することにより高い利益を上げることもできます。
レバレッジのかけ方など詳しくは以下の記事で説明しています。
理由2. レンジ相場が長い
これから円安になるのか、円高になるのかは誰にも分からないのですが、よくレンジ7割、トレンド3割と言われるように、為替レートは一定のレンジ内で動いているように見えます。
レンジ相場だと価格変動幅も小さく、リスクも小さく見えるため、すぐに値が戻ってくるだろうと勘違いし、適当な予想でトレードをしてしまう原因となり、下がってきたから買う、そろそろ下がるだろうと思って売る、などのトレードを初心者の内はしてしまいがちです。
そして、思った方向に動かなかったら、値が戻ってくることを期待してポジションを放置したり、平均取得単価を下げるために買い増ししたりすることにより、どんどん損失が広がっていくといったことが起こります。
そうならないためにも、FXで実際にトレードする前に、テクニカル分析をしっかりと学び、自分の中でトレードルールを作って、そのルール通りにトレードをすることが重要です。
そしてトレードルールを作ったら、それを検証するためにデモトレードや低レバレッジで試してみるというやり方が王道です。
逆に言うと、トレードルールができるまではトレードをしなければいいだけです。
FXはコンピューター相手に対戦するゲームではなく、プロのトレーダーたちとの戦いになります。
例えば野球でも、何も練習せずにプロの選手を相手に点数が取れるほど甘くないのと一緒で、FXもプロのトレーダー達の戦いの場にいる以上、しっかりと勉強や検証をして勝てる方法を熟知して望む必要があるということです。
理由3. プロスペクト理論が働く
これはFXに限ったことではありませんが、どのような投資をするにも「損切り」をしなくてはいけない場面があります。
損失を出すことは誰にでもありますので、その損失を出したときに早い段階で見切れるかどうかが重要となってきます。
初心者の内は特に損切りに対する認識が甘く、いつか値が戻ってくるだろうと期待して、含み損を抱えたポジションをいつまでも保有してしまいがちです。
何故そのようなことが起こるかと言うと、人間は損失が目の前に来ると損失回避の行動を取る「プロスペクト理論」が心理的に働くからです。
「プロスペクト理論」を簡単に言うと、「利益は逃したくないし、損をしたくない」という感情が強く働くことで、利益が出ていると早く利益確定したくなり、損失が出ていると損失を確定したくなく、値が戻ってくることを期待して損失が膨らみ、結果として「利小損大」となり、1回の大きな負け越しで大金を失ったりします。
プロスペクト理論については、以下の記事で詳しく説明しています。
そのため、損失が出ている時は適切な損切りを心掛け、1回のトレードで大きく負け越すことを回避する必要があります。
理由4. エントリーポイントまで待てない
これは、FXトレーダーの大半の方は通る道だと思うのですが、利益を取ることだけに意識が集中してしまい、チャートを見てるとエントリーすることだけを考え、せっかく自分で作ったルールも都合のいいように解釈を変えて、本来であれば入るべきでないポイントでも、エントリーしてしまうことがあります。
このようにポジションを持ちたい気持ちが強くて仕方ないことを「ポジポジ病」と言ったりします。
ポジポジ病については、自分が定めたルールを守れるかどうかということに付きますので、トレード記録をしっかりと取り、負けたのはルールを守れなかったことが原因であれば、今後は二度としないように自分の中で規律を守る力が必要になります。
ポジポジ病にかかっている時は、チャートを眺めているとエントリーしたくなってしまうので、今日はエントリーしないと決めたら、画面の前から離れて他のことに集中するなども時には必要です。
理由5. 証拠金の追加
FXでは、強制ロスカットというものがあります。
保有しているポジションの含み損が膨らんできたときに、証拠金の口座残高が少なくなると、FX会社の方で強制的にポジションを損切決済するというものです。
しかし、FX口座に追加で証拠金を入金することにより、強制ロスカットを避けることができます。
強制ロスカットされたくないために証拠金を追加で入金してしまい、その後さらに損失が広がり、また証拠金が不足してくると、また追加入金してしまう。というように、蟻地獄のように証拠金を追加してしまい、気づけば大金を投入しているといったことが起こる可能性もあります。
これも結局は、「プロスペクト理論」が働き、損失を確定したくない気持ちからきているため、FXが危険というよりも、損切りができないという自分のメンタルの問題です。
そもそもそうならないためにも、これまでに説明した、レバレッジを上げすぎたトレードをしないこと、テクニカル分析をしっかりと行いルール通りのトレードをすること、適切な損切りをしっかりと行うことが大切です。
そして、もし証拠金を追加入金しようと思う時は、一度冷静になって考えましょう。
リスクを抑えたトレードをする方法
- 低レバレッジでトレードする
- テクニカル分析を行い、ルール通りのトレードをする
- 適切な損切りをする
- 証拠金を追加する前に冷静に考える
初心者におすすめのFX会社
低レバレッジでトレードするためには、トレードするポジション枚数を少なくする必要があります。
初心者の方にお勧めのFX会社としては、最低取引通貨単位が低かったり、キャッシュバックがあるところなどがお勧めです。
その他のリスク
今まで説明した理由は主にトレードする人のメンタル面の問題が大きいのですが、FXの仕組み的な問題のリスクもあります。
しかし、これまでに説明した内容に比べればそれ程大きなリスクではありません。
システムリスク
FXはオンラインでトレードしていることから、通信システムなどの障害により注文が通らないことも起こり得ます。
自宅のwifiが急に途切れてしまったり、FX会社側の通信障害で注文ができなかったりなどです。
特にポジションを保有した後の決済注文が通らないと、通信障害が発生している間にも値は動きますので、損失がどんどん広がっていっていってしまうという危険性もあります。
滅多に起こらないことではありますが、通信障害が発生しても慌てないように、ポジションを持つときには合わせて決済注文も出しておくといいでしょう。
FXには様々な注文方法があり、詳しくは以下の記事で説明しています。
スワップポイントリスク
FXは2通貨間の取引を行いますので、通貨間の金利差があると、スワップポイントという利息のようなものが毎日発生します。
低金利通貨を売って、高金利通貨を買うと毎日スワップポイントがもらえるのですが、逆に高金利通貨を売って、低金利通貨を買うと、スワップポイントを支払うことになります。
スワップポイントを毎日支払うことになる場合、少額ではありますが、毎日少しずつマイナスになっていきますので、心理的には負担になります。
スワップポイントに付いて詳しくは以下の記事で説明しています。
流動性リスク
例えばマイナー通貨の組み合わせなど、流動性が低い通貨ペアだと値が一気に動く可能性があります。
その時に損切がすぐにできなかったり、前もって損切レートを指定していたとしても、スリッページが発生し、思っていたよりも損切幅が大きくなることがあります。
これらを避けるためにも、初心者の内はマイナー通貨ではなく、ドルや円、ユーロなどの取引量の多いメジャー通貨でトレードするのと、ポジションを保有した時は必ずストップロスを入れるということを心がければある程度は対処できる問題です。
投資としてのFXのリスクまとめ
これまで説明したように、FXはリスクが高いと言われる原因の大半は、自分のメンタルの問題であることが分かるかと思います。
そうならないためにも、なぜリスクを取るような行動をしててしまうのか、リスクを取るような行動をしないためにはどのようにすればいいのかを知り、適切な対処ができれば、FXは怖くありません。
今回の記事内容に付いては、まだFX始めてないない方にはピンとこない内容もあると思いますが、トレードを始めてから分かることもありますので、その時にもう一度この記事を読んでメンタル面について見直すといいでしょう。
FXのリスクについてまとめると以下のようになります。
- FXは高レバレッジでの取引ができるので、リスクも高いが大きく稼げる可能性もある
- FXはリスクが高いと言われる理由は大半は自分のメンタルの問題である
- FXのリスクは自分でコントロールできる
- トレードルールを作り、それをしっかりと守ることが大切
- 「プロスペクト理論」を理解し、適切な損切りを心がける
- 証拠金の追加入金をする前に、一度冷静になって考える
以上、ご参考ください。