この記事では、FXチャート分析で使われるインジケーター「MACD(マックディー)」の使い方について以下のような疑問や悩みに応えられるよう詳しく説明しています。
- 「MACD」がいいと聞いたのだが、難しそうでよく分からない
- 「MACD」を使ってエントリーパターンを増やしたい
- 「MACD」で何を見ればいいのか分からない
「MACD」の使い方
「MACD」の概要
「MACD」とは、Moving Average Convergence Divergenceの頭文字を取った呼称で、1970年代後半にジェラルド・アペル氏(1933-2020)によって開発されたインジケーターです。
「MACD」は売買のタイミングやトレンドの方向性、相場の勢いなどを見ることができ、チャートソフトのMT4では、オシレーター系インジケーターに分類されています。
「MACD」は、基本的にはMACDとシグナルという2本の移動平均を表すラインから構成されており、MACDは指数円滑移動平均線である短期EMAと長期EMAの差を表したラインで、そのMACDの単純移動平均を現したのがシグナルとなります。
計算式で表すと以下のようになります。
MACD = 短期EMA - 長期EMA
シグナル = MACDのSMA
つまり、MACDがプラス域にある時は短期EMAが長期EMAよりも上に位置しているため、相場が上昇傾向にあることを表し、MACDがマイナス域にある時は、短期EMAが長期EMAよりも下に位置しているため、相場が下落傾向にあることを表しています。
シグナルは、そのMACDの移動平均を表したものになります。
分かりやすく、MACDと短期EMA、長期EMAを表示させたチャートは以下になります。
上図1でも分かるように、短期EMAが長期EMAとクロスするところとMACDの上下を分けるゼロラインの位置が同じになります。
チャート上で短期EMAが長期EMAよりも下にある場合はMACDもゼロラインより下に位置しますし、チャート上で短期EMAが長期EMAよりも上にある場合はMACDもゼロラインより上に位置します。
チャートによっては、このMACDとシグナルの2本のラインの他にヒストグラムと呼ばれるMACDとシグナルの乖離を表したグラフを表示させることもできますが、メインはMACDとシグナルになりますので、ヒストグラムは表示されなくても問題ありません。
「MACD」の設定
「MACD」は基本的に3つの数値を設定しますが、標準的な設定値としては以下の通りです。
短期EMA:12 長期EMA:26 シグナル:9
MT4などのチャートソフトでは、デフォルト値で上記の設定になっているはずですが、一応設定を確認し、特に変更がなければそのまま利用して大丈夫です。
「MACD」の見方
「ゼロライン」の上下で相場の方向と勢いを見る
MACDの中央付近にゼロラインと言われるラインがあり、それをMACDとシグナルが上回っていると上昇傾向、ゼロラインを下回っていると下落傾向となり、ゼロラインから数値が離れているほどトレンドの勢いが強いことを示します。
「ゴールデンクロス」「デッドクロス」でエントリーのタイミングを計る
「MACD」のゴールデンクロス、デッドクロスは、移動平均線のゴールデンクロス、デッドクロスより早くトレンドの転換の可能性を察知できます。
ゼロラインより高い位置でMACDがシグナルを下抜いたときはデッドクロスで売りサインとなり、ゼロラインより低い位置でMACDがシグナルを上抜いたときはゴールデンクロスで買いサインとなります。
ゼロラインより離れている場所で起こるほど信頼度は高まります。
「ダイバージェンス」でトレンド転換の可能性を察知する
チャート上の価格と、MACDの値が逆行する現象を「ダイバージェンス」と言います。
下図のようにチャートが高値を切り上げているのに、MACDは高値を切り下げているような状況が現れると「ダイバージェンス」となり、トレンド転換の可能性を示唆している事になり、ポジションの手仕舞いを検討したりします。
「MACD」の注意点
「MACD」は他のインジケーター同様、使う場所によってはダマシもありますので注意が必要です。
値動きがあまりないレンジ相場の時などは、MACDがゼロライン付近を行ったり来たりしますし、ゴールデンクロスやデッドクロスもダマシが頻繁に起こります。
これはインジケーター全般に言えることですが、インジケーターは補助的な使用がお勧めです。
基本は長期足から相場背景を読み取り、水平線などを活用して目線を決めた上で、自分が基準足とする時間足でトレードできる形になってから、最後にインジケーターを補助的に使ってエントリーポイントを確認するような使い方がおすすめです。
「MACD」まとめ
「MACD」についてまとめると以下のようになります。
- MACDとシグナルの2本のラインで構成されている
- 相場の方向性や勢いなどを知ることができる
- MACDとシグナルがゼロラインより上にある時は上昇傾向、ゼロラインより下にある時は下落傾向を示している
- ゴールデンクロス、デッドクロス、ダイバージェンスなどで売買のタイミングや決済のタイミングを計ることができる
まずは、過去チャートに「MACD」を表示して、実際の動きを確かめてみましょう。
他のインジケーターについても、以下の記事でまとめてありますので、ご参考ください。