ピラミッティング
トレンド方向に徐々に増し玉し、一回のトレンドで大きな利益を狙うトレード手法
FXのトレード手法には様々な手法がありますが、その中の1つとしてピラミッティングというトレード手法があります。
- ピラミッティングとは、どのようなトレード手法なのか知りたい
- ピラミッティングとナンピンの違いを知りたい
- ピラミッティングのコツを知りたい
ピラミッティングは成功すると1回のトレンドで大きな利益を得ることができますが、トレンドを見極めることができたり、ポジションの増やし方、決済ポイントなどを判断することができる必要があり、FX初心者には少し難しい手法です。
FXトレード手法「ピラミッティング」とは
FXトレード手法の「ピラミッティング」は、分散投資で徐々にポジションを増やし、リスクを抑えながら、利益を大きく伸ばす手法です。
ピラミッティングの種類
ピラミッティングは、ポジションの増やし方によって、「スケールダウン・ピラミッティング」「イコールポジション・ピラミッティング」「逆ピラミッティング」「リフレクティング・ピラミッティング」の4つの種類があります。
スケールダウン・ピラミッティング
「スケールダウン・ピラミッティング」は、徐々に追加するポジション量を減らしていく手法で、ピラミッティングの中では最も基本的な手法です。
最初は8ロット、次に4ロット、その次に2ロット、最後に1ロットといった具合に、トレンドが伸びるにしたがって徐々に増し玉するポジションサイズを落としていきます。
最初に大きくポジションを取るため、トレンド方向に伸びた時は取れる利益が大きくなりますが、思った通りにトレンドが伸びなかった場合のリスクは大きくなります。
イコールポジション・ピラミッティング
「イコールポジション・ピラミッティング」は、同じサイズのポジションで増し玉していく手法です。
最初に4ロット、次も4ロット、その次も4ロットといった具合に、同じサイズのポジションを増し玉していきます。
逆ピラミッティング
「逆ピラミッティング」は、「スケールダウン・ピラミッティング」の逆で、徐々に増し玉するポジションサイズを増やしていく手法です。
最初に1ロット、次に2ロット、その次に4ロット、最後に8ロットといった具合に、トレンドが伸びていくに従って増し玉するポジションを増やしていきます。
最初のポジションが少ないため、思ったようにトレンドが伸びなかったとしても損失は限定できるのですが、トレンドの終盤になるにつれてポジションサイズが大きく増えていくため、トレンドが転換してきた時に、最初の含み益を帳消しにしてしまうこともあります。
リフレクティング・ピラミッティング
「リフレクティング・ピラミッティング」は、「スケールダウン・ピラミッティング」と「逆ピラミッティング」を組み合わせたような手法で、最初は少ないポジションから始め、トレンドが思った方向に伸びたら徐々に増し玉するポジションサイズを増やしていき、トレンドの終盤にかけては徐々に増し玉するポジションサイズを減らしていきます。
ピラミッティングとナンピンの違い
ピラミッティングと似た手法でナンピンという手法があります。
ピラミッティングは含み益が出ている状態でポジションを増やしていく手法であるのに対し、ナンピンは含み損を抱えている時にポジションを増やし、平均取得単価を下げる手法です。
ナンピンに比べ、ピラミッティングは、増し玉する度に平均取得単価が自分にとって不利な方向に動きますので、含み益が出ていたとしても、一度トレンドが転換し始めるとすぐに含み益がなくなってしまう危険性があるため、利確が早くなりがちです。
それに対してナンピンは、平均取得単価が自分にとって有利な方向に動きますので、トレンドが転換すれば、含み損が解消されるのも早く、勝率の高い手法ですが、うまくいかなかった時に損切りのタイミングが難しく、ズルズルと損失を拡大させてしまいがちです。
以上のことから、ピラミッティングは、別名「逆ナンピン」とも呼ばれています。
ナンピンについて詳しくは以下の記事をご覧ください。
→ 【FX】ナンピンとは?ナンピンのリスクとドルコスト平均法との違い
ピラミッティングのメリット・デメリット
ピラミッティングは大きく稼げる可能性がある反面、初心者にはトレンドの見極めが難しく、成功率が低くなる傾向があり、コツコツ負けてドカンと勝つといったトレード手法です。
ピラミッティングには、以下のようなメリット・デメリットがあります。
ピラミッティングのメリット
ピラミッティングのメリットとしては、主に以下の点が挙げられます。
- 1回のトレンド発生で大きな利益を狙える
- トレンドが発生してからポジションサイズを大きくできる
- 損失が小さくて済む
1度トレンドが発生してピラミッティングが成功すると、その名の通り利益がどんどん積み重なっていきます。
また、エントリーするレートを分散するため、トレンドが伸びなかったとしても、損失を限定することができ、トレンドが伸びたらポジションサイズを増やすため、利大損小となりやすいトレード手法と言えます。
ピラミッティングのデメリット
ピラミッティングのデメリットとしては、主に以下の点が挙げられます。
- トレンド相場でしか使えないためチャンスが少ない
- 平均取得単価が常に不利な方向に動く
- 増し玉をするための資金が必要
ピラミッティングを成功させるためには、明確なトレンドが発生する必要があるため、トレンドの発生を見極める分析力が必要なのはもちろんですが、そもそものチャンスが少なく、トレンド発生まで待つ必要があります。
そして、最初の打診買いのポジションは、トレンドが発生しなければ、場合によってはロスカットとなりますので、トレンドが発生する前兆を見極められるかどうかが重要となり、思った通りにトレンドが発生しないと、ピラミッティングの成功率は高くなりません。
そして、トレンドが発生したとしても、増し玉をする度に平均取得単価が自分にとって不利な方向に動くため、早く利益を確定したいという思いが強くなり、利を伸ばすのが難しくなります。
また、ピラミッティングを行うには、増し玉を何回か行う必要があるため、そのための資金力が必要になります。
FXトレード手法「ピラミッティング」のコツ
ピラミッティングを行うには、まずはトレンドの発生を見極める必要があります。
トレンドの発生を見極めるには、相場背景を読み取り、ダウ理論や水平線、チャートパターンや移動平均線などを用いながら、まずはトレンドの初動を察知し打診買いを行います。
トレンドの初動を察知したら、ボリンジャーバンドや一目均衡表、平均足などのインジケーターを見ながらトレンドの発生を確信し、押し目のタイミングで増し玉を行います。
このように、ピラミッティングを行うための根底には、テクニカル分析をしっかりと行える技術と知識が必要となります。
FXトレード手法「ピラミッティング」まとめ
ピラミッティングについてまとめると、以下のようになります。
- ピラミッティングはトレンド方向に徐々に増し玉し、一度のトレンドで大きな利益を狙うトレード手法である
- ピラミッティングは4種類のポジションの増やし方がある
- ピラミッティングは成功すると大きな利益が出るが、初心者にはトレンドの見極めが難しく、成功率は低くなる傾向がある
- ピラミッティングはトレンドの初動を察知したら打診買いを行い、トレンドの発生を確信したら徐々に押し目で増し玉を行う
初心者の方であれば、まずはテクニカル分析をしっかりと学んだ上でピラミッティングに取り組むことをお勧めします。
以上、ご参考ください。