FXトレーダーの多くは、以下のような状況を経験したことがあるのではないでしょうか。
- ポジションを保有したい気持ちが強く、優位性の低い所でもエントリーしてしまう
- 負けると熱くなってしまい、すぐにドテンエントリーしてしまう
- レートが動いているのを見るとエントリーしたくなってしまう
- 分かっているのにルールを破ってエントリーしてしまう
- 何連敗もした後にやり場のない怒りを物にぶつけてしまう
これらの状況を放置しておくと、無駄なエントリーが増え、いずれは損切りをすることすら辞めてしまい、資金がどんどん目減りしていくことになりかねません。
もし、現時点でそのような状況に陥っているようであれば、是非この記事に書かれている対処法を試してみて下さい。
ポジポジ病は一時的なもので、しっかりと対処すれば必ず治ります。
私も過去にポジポジ病に悩んだ時期は何度かありましたが、その度に、お伝えする対処方法を実行して乗り越えてきました。
ポジポジ病は治らない?
ポジポジ病とは?
そもそも、「ポジポジ病」とはどのような状態のことを指すかと言うと、自分が決めたトレードルール通りのエントリーではなく、ギャンブル的にポジションを持ち続けてしまう状態のことを指します。
厳しい言い方にはなりますが、自分の中では理由を付けてエントリーしている状態であっても、ポジポジ病は自分の心の甘えが生み出している悪癖です。
そして、一度陥ると簡単に抜け出すことのできない状態でもあります。
ポジポジ病にかかる理由
そもそも、ポジポジ病になってしまうには、様々なきっかけや理由があります。
きっかけとしては些細なことで、例えば以下のようなことが原因になったりします。
- トレードルール通りにトレードしたが連敗した
- 今月のトレード成績がマイナスで終わりそう
- 仕事で嫌なことがありストレスが溜まっている
このようなきっかけが自分の気持ちに焦りを生み、以下のような気持になります。
- 負けた分を早く取り戻したい
- 少しでも早く稼ぎたい
- トレードで勝ってストレスを発散したい
FXトレーダーであれば誰しもFXで勝ちたいですし、できれば専業になって自由を手に入れたいと思っている人は多いはずです。
仕事をバリバリこなす人ほど、チャートを眺めてボーっとしている時間がもったいないと感じ、少しでもエントリーできるチャンスはないかとエントリーする前提の思考に陥ってしまいがちです。
しかし、「FXは待つのが仕事」とよく言われるように、行動することが利益につながる近道という訳ではありません。
もし、優位性の低いところでトレードを見送ることができたら、「見送るというトレードができた」と思うようにしましょう。
ポジポジ病を治す方法
ポジポジ病を治すには、すぐに行うべき対処療法と、根本的に解決するための根本治療があります。
ポジポジ病が出た時に行う対処療法
ポジポジ病は、「負けを取り戻したい」、「早く稼ぎたい」、「ストレスを発散したい」など、自分の気持ちの不安定な状態や焦りが引き起こしているものなので、少しの間リアルトレードから離れて心を落ち着ける必要があります。
パソコンを閉じて寝る
まずは、ポジポジ病が出たと思ったら、すぐにパソコンを閉じて寝ましょう。
もしくは、チャートを閉じて他の事をするなどでも良いのですが、一旦寝ると少し冷静になりますので、心を落ち着けるためには寝てしまうのが一番いいかと思います。
方法はどうあれ、とにかくFXから一旦離れて気持ちを落ち着けることをしましょう。
気が済むまでデモトレードをする
もし、すぐにチャートが閉じられないようであれば、気が済むまでデモトレードをして、自分のトレードを見てみるのもいいかと思います。
そこでの勝ち負けは関係なく、気が済むまでデモトレードした後に、自分がどんな場所でエントリーしていて、自分のルール通りのトレードができているのかどうかを改めて見直し、今後どのようにトレードするか考えてみましょう。
トレードスタイルをスイングにする
もし、スキャルピングやデイトレードのスタイルで、ポジポジ病が何日も続くようであれば、トレードスタイルをスイングトレードにしてポジションを持つ期間を長くし、強制的にトレード回数を減らして気分を落ち着けるのも一つの手です。
その時は、必ずロスカットの設定は行ってください。
まずは以上のような対処を行い、少しトレードから離れる必要があります。
しかし、これらはあくまで一時的な対処療法にすぎませんので、根本的な解決にはなりません。
ポジポジ病が出ないようにするための根本治療
ポジポジ病を根本的に解決するには、1回1回のトレードは独立していることを心の底から理解する必要があります。
そのためには、以下のような方法があります。
チャート検証を徹底的に行う
そもそも、「自分の作ったルール通りにトレードし続けていれば勝てる」と信じていれば、連敗しても必要経費と割り切って考えることができるはずです。
負けを必要経費として考えることができずに、その負けを取り戻すためにトレードルールを破ってポジポジ病になってしまうようであれば、自分のトレードルールを信じ切れていない証拠です。
自分のトレードルールを信じるためには、チャート検証を徹底的に行って、このルールに則ってトレードしていれば勝てるという確信を持つことが大切です。
そのためにも、納得できるまでチャート検証を行いましょう。
勝っているトレーダーの話を聞く
勝っているトレーダーは往々にして1回1回のトレードは切り分けて考えており、そういった方たちのトレードに対する考え方の話を聞くことはとても重要です。
「勝っているトレーダーの知り合いなんていないよ」という人もいると思いますので、そのような方には「ゾーン」という本がお勧めです。
この本は、トレード手法のことについて書いてある訳ではなく、トレードで勝つためにはどのような考え方でどのようにトレードすることが必要かが書かれているトレードの真理を得た良書です。
何度も読み返して自分の心の中に落とし込むべき必要なことが書かれていますので、トレーダーとしてはバイブルとして1冊手元に置いておくことをお勧めします。
音声データーもありますので、そちらを購入して移動中などに聞くのもいいでしょう。
もう一冊は、「マーケットの魔術師」という本です。
文字量が多くて読むのが大変ですが、著者が有名トレーダーにインタビューした内容などがまとめられており、こちらもトレーダーのバイブルとなっている有名な本です。
ポジポジ病にならないための工夫
そして、ポジポジ病にならないための工夫として、以下のことに取り組んでいないようであれば、一度試してみることをお勧めします。
トレード仲間を作る
FXは孤独な戦いで、部屋で1人でチャートを見ていると、どうしてもエントリーすることを考えてしまうかと思いますので、トレード仲間を作ることをお勧めします。
私が過去にトレード仲間とskypeやdiscordなどで音声通話をしながらトレードしていた時は、1人でトレードしている時よりも落ち着いて、一歩引いてチャートが見れるようになり、気持ちに余裕が持てました。
もし、一人でトレードしているようであれば、トレード仲間を作ってみるのも良いかと思います。
トレードルールを作る
もし、トレードルールを作っていないようであれば、簡単な確認事項でも構いませんので、まずはルールを作りましょう。
細かい手順を1から10まで作る必要はありませんので、トレード前に確認することや、こういう状態だったらエントリーを考えるなど、トレードの前段となるルールで構いません。
チャンスは逃したとしても、また必ずやってきますので、チャートを立ち上げてすぐにエントリーを考えるのではなく、チャートを立ち上げる前にトレードルールを確認する位の余裕を持って取り組みましょう。
毎回トレード記録を付けて振り返る
「毎回Excelなどにトレード記録を付けて振り返るようにしましょう。」と言っても、なかなか続かないと思います。
過去の成績はFX会社の履歴を見ればすぐに分かりますので、Excelなどで記録を付けるよりも、自分のトレード結果をTwitterでチャートの図解付きでツイートしたり、ブログに書いたり、トレード報告の掲示板に投稿したりなど、トレードルールを守れたかも含めて発信する習慣を付けることにより、誰かに見られているような気がして、いつもよりルールを守れるようになったりしますし、後から見て過去のトレードを振り返ることもできます。
自分のトレードを発信することにより、トレード仲間ができることもあるかも知れませんし、実際に私も過去にブログでトレード記録を発信していた時期があり、その時に連絡のあった方と一緒にトレードしていたこともありました。
面倒だとは思いますが、トレードが上達するためにも出来る限り行う事をお勧めします。
ポジポジ病まとめ
ポジポジ病についてまとめると以下のようになります。
- ポジポジ病は焦りや不安定な気持ちが生み出す甘えである
- ポジポジ病が出たら、すぐにトレードから離れ、気持ちを落ち着ける
- ポジポジ病が出ないようにするためにも1回1回のトレードは独立していると心の底から理解する必要がある
- ポジポジ病が出ないようにするためにトレード仲間を作ったり、トレード結果を発信したりするのも一つの手である
ポジポジ病は必ず乗り越えることができますし、ポジポジ病を克服することにより、トレード技術がまた一歩前進すると前向きに考えましょう。