金融政策「テーパリング」とは?為替への影響はある?

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テーパリング

中央銀行の量的金融緩和政策による金融資産の買い入れを徐々に減らしていくこと

「テーパリング」は日常生活では聞きなれない言葉かと思いますので、ニュースなどで見聞きして調べている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、テーパリングに関する以下のような疑問に答えられるように説明しています。

  • テーパリングって何?
  • どういう時にテーパリングは行われるの?
  • テーパリングがFXに与える影響は?

FXトレードをするに当たって、「テーパリング」について理解していなくても差支えはありませんが、「テーパリング」の意味が分かると、経済ニュースなども今まで以上に興味を持って見れるようになれるかも知れません。

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テーパリングとは?

「テーパリング」とは、英語ではtaperingと表記され、先細りや徐々に減っていくことを意味しますが、金融用語として使われるときは、中央銀行の量的金融緩和政策による金融資産の買い入れ額を徐々に減らしていき終了に向かわせることを指します。

量的金融緩和政策のことを英語でQuantitative Easingと表記されるため、テーパリングは「QE縮小」とも言われます。

量的金融緩和は、景気を良くするために取られる金融政策であり、永続的に行われる訳ではありませんので、量的金融緩和の効果が表れれば、どこかのタイミングでテーパリングを行い量的金融緩和を終わらせる必要があります。

しかし、明確にテーパリングを行うタイミングが定められている訳ではないので、経済指標や市場の反応などを見ながら、経済に混乱を起こさないように慎重にテーパリングを行う必要があります。

量的金融緩和とは?

そもそも、量的金融緩和とはどういう意味かというと、中央銀行は経済が冷え切ってくると政策金利を引き下げ、市場にお金が出回るようにして経済や物価を支える金融政策を取ります。

政策金利をゼロ金利付近まで下げても、それでも景気が上向かない場合、量的金融緩和として、中央銀行が債権や証券を購入し、金融市場への資金供給量を増やし、景気を上向かせる政策を取ります。

量的金融緩和は政策金利の引き下げに比べ比較的新しい試みであることから、政策金利を引き下げることを「伝統的金融緩和」と呼ぶのに対し、量的金融緩和は「非伝統的金融緩和」とも言われています。

ステルス・テーパリングとは?

通常はテーパリングを行う時に、中央銀行が金融政策の変更を言及した上で実行するのですが、「ステルス・テーパリング」とは、中央銀行がテーパリングに言及せずに、秘密裏にテーパリングを実行することを言います。

テーパリングについて中央銀行が言及すると、タイミングによっては市場が混乱し、株式相場の暴落などが起こる可能性が考えられます。

市場に混乱をもたらさずにテーパリングを行うという意味では、ステルス・テーパリングは有効な手法かも知れません。

テーパリングが為替に与える影響

テーパリングを示唆することにより、金融市場が混乱することを「テーパー・タントラム」と言います。

有名なのが2013年に起きたバーナンキショックですが、当時のFRB議長であるバーナンキがテーパリングを示唆したことにより、長期金利高騰新興国通貨下落し、金融市場が「テーパー・タントラム」を起こしました。

これは、市場の予想よりも早い段階でテーパリングを示唆したことから起こったものと言われており、テーパリングを行う時に必ず「テーパー・タントラム」が起こるわけではありません。

テーパリングまとめ

テーパリングについてまとめると以下のようになります。

  • テーパリングとは、中央銀行による量的金融緩和政策による金融商品の買い入れを徐々に減らすことである
  • 中央銀行が秘密裏にテーパリングを行うことを「ステルス・テーパリング」という
  • 中央銀行によるテーパリングに対する言及のタイミングによっては、金融市場の混乱「テーパー・タントラム」が起きる可能性もある

以上、ご参考ください。

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