GDPを一文で説明すると、以下のようになります。
GDP
一定期間に国内で生産された「モノ」や「サービス」の付加価値の総額
このページでは、もう少しGDPについて掘り下げて、以下のような疑問にも応えられるように説明しています。
- GDPについてもう少し詳しく知りたい
- 名目GDPと実質GDPって何?
- GNIやGNPとは何が違う?
- FXトレードでGDPは重要?
- 毎月発表されるアメリカのGDPは何が違う?
今回は、「これだけは押さえる経済指標シリーズ」第4回目「GDP(国内総生産)」についてです。
1~3回目については、以下の記事になります。
GDP(国内総生産)とは?
GDPとは「Gross Domestic Product」の頭文字を取った略称で、一定期間内に国内で生産された「モノ」や「サービス」の販売額から原価などを差し引いた「付加価値」の総額で、国の経済活動状況を示した数値になります。
国内に限っていますので、日本企業や日本人が海外で生産したものはGDPに含まれず、逆に外国企業や外国人が国内で生産したものはGDPに含まれます。
名目GDPと実質GDP
GDPには、「名目GDP」と「実質GDP」があります。
名目GDPは単純にそのまま算出したGDPの総額のことで、現時点の経済活動状況を示した数値になります。
しかし、過去のGDPと比べて現在のGDPがどれ位成長しているかを見るには、物価変動を取り除いて確認する必要があります。
その物価変動を取り除いて計算したGDPが「実質GDP」です。
そして、この実質GDPの伸び率が「経済成長率」となり、実質GDPの伸び率が高いほど経済が成長しているということになります。
例えば、名目GDPが前年に比べてプラスになっていたとしても、物価変動を考えると実質GDPではマイナスになっていたということもあり得ます。
GNI(国民総所得)との違い
GDPと似た指標で、GNI(国民総所得:Gross National Income)というものもあります。
GDPが国内で生産されたモノやサービスの付加価値の総額であるのに対し、GNIは居住者が国内外から得た一定期間の所得の総額を表します。
つまり、GNIはGDPから外国人や外国企業が得た所得をマイナスし、国内居住者が海外で得た所得を足したものになります。
日本の場合は、日本人が海外で得た所得から外国人が得た国内での所得を引くとプラスで推移していますので、GDPよりもGNIの方が額は多くなります。
国内という視点で考えるのがGDPに対し、国民という視点で考えるのがGNIということになり、近年では海外での経済活動も増えてきているため、GDPとGNIの差も開いてきています。
以前はGNP(国民総生産)が使われていましたが、内容としてはGNIとほぼ同じであり、2000年以降はGNIに置き換わっています。
日本のGDPとGNIは、総額でみると、アメリカと中国に次いで3位ですが、1人当たりのGDP、GNIで見ると、直近データでは世界20位以下となっています。
FXにおけるGDP
FXトレードをする際に注目すべき経済指標のGDPは、GDP世界1位のアメリカのGDPの速報値で、米商務省経済分析局から四半期終了後の翌月末に発表されます。
ちなみに、日本では内閣府が推計し発表しています。
経済指標などをよくご覧になられている方は、アメリカのGDPは毎月発表されているのでは?と思われるかと思いますが、アメリカの場合、GDPは「速報値」「改定値」「確報値」の3回に分けて発表されています。
四半期終了後の翌月(1・4・7・10月)は「速報値」、翌々月(2・5・8・11月)は「改定値」、翌々々月(3・6・9・12月)は「確報値」が発表されます。
市場で最も注目されるのは「速報値」で、市場予想と結果が大きく異なると為替レートが大きく動く可能性があります。
GDPまとめ
GDPについてまとめると以下のようになります。
- GDPとは一定期間の国内で生産されたモノやサービスの付加価値の総額である
- GDPには単純に金額を算出した名目GDPと物価変動を考慮した実質GDPがある
- GNIは居住者の総所得を表した数値である
- 経済指標で注目されるのはアメリカのGDPの速報値である
FXで重要な他の経済指標についても、以下の記事でまとめてありますので、ご参考ください。
以上、ご参考ください。