この記事では、経済指標の中でも重要な指標の1つである「FOMC」について以下のような疑問や悩みに応えられるよう詳しく説明しています。
- FOMCってそもそも何?
- FRBとは何が違う?
- FOMCはいつ開催される?
- 政策金利との関係は?
- FOMCの何が重要?
FXトレードをするに当たっては、ダウ理論の6つの基本原則の1つ「平均価格は全ての事象を織り込む」にもあるように、テクニカル分析が最も重要ではありますが、その価格に影響を与えるファンダメンタルズの中でも、経済指標はFXトレードをするに際に意識して注意したいポイントです。
経済指標もたくさんあり、全てを意識するのは難しいですが、数ある経済指標の中でも特に注目度の高い指標の1つが「FOMC」ですので、今回はそのFOMCについて説明します。
FOMCとは?
FOMCの概要
FOMC(連邦公開市場委員会)とは、アメリカの中央銀行の中枢機関であるFRB(連邦準備制度理事会)が開くアメリカの金融政策を決定するための会合で、連邦公開市場委員会(Federal Open Market Committee)の頭文字を取ってFOMCと呼ばれています。
FOMCでは、景気過熱時には金融引き締め策を取り、景気後退時は金融緩和策を取るなどして景気の調整を行います。
経済大国アメリカの金融政策決定に関する会合になりますので、世界経済に与える影響は大きく、世界中からの注目を集めています。
FOMCのメンバーと開催日
FOMCはFRBの理事7名に加え、FRBが統括している12の地区の連邦準備銀行の内、ニューヨーク連銀の総裁1名と、その他の地区の連銀総裁から持ち回りで4名の合計12名が議決権を持つメンバーとして構成され、6週間毎に年8回、各回2日間に渡って開催される他、必要に応じて臨時で開催されることもあります。
FRB理事 | ニューヨーク地区連銀総裁 | ニューヨーク地区以外の連銀総裁 | 合計 |
7名(常任) | 1名(常任) | 4名(持ち回り) | 12名 |
FOMCの開催日はFRBの公式ホームページ上に日程が掲載されています。
FOMCで重要なこと
FOMCでは、声明文の発表、FOMC終了後の議長の記者会見など、注目すべき点がいくつかあります。
声明文と政策金利
FOMC開催直後には声明文が発表されますが、声明文では、FOMCの最大の目標である「雇用の最大化」と「物価の安定」に向けて、どのような金融政策を取るかなどの他、政策金利であるFF金利の誘導目標や現在の景気判断などについて述べられます。
政策金利については、事前に政策金利のレンジが予想され、予想と実際の結果が大きく異なると市場の値動きが大きく反応します。
また四半期に一度3、6、9、12月にFOMC各メンバーが予想する政策金利レンジの中間値をドットでプロットして表した「ドットチャート」と呼ばれるものがFRBのホームページ上で確認することもできます。
声明文は英語で述べられているため、日本語訳のものを読みたければ、ロイターなどのホームページで全文日本語訳されたものがFOMC後に掲載されます。
記者会見と議事要旨
FOMC終了30分後には、議長による記者会見が行われます。
以前はFOMC開催の2回に1回しか会見は行われていませんでしたが、2019年からは毎回行われるようになりました。
記者会見では声明文よりも詳細な内容説明や記者との質疑応答がありますので、声明文で市場が反応した後でも、会見内容によっては更に記者会見でも市場が反応することもあります。
そして、FOMC終了から3週間後には議事要旨が発表され、この議事要旨からFOMCでどのような議論がなされて決定に至ったのかなどの細かい内容が分かります。
この議事要旨はあくまで要約されたものになり、議事録の全文については、5年後の公表となっています。
FOMCまとめ
FOMCについてまとめると以下のようになります。
- FOMCはアメリカの中央銀行にあたるFRBが開催している金融政策決定会合である
- FOMCは6週間おきに年8回開催される
- FOMCで政策金利が決定される
- 政策金利などが市場予想に反した発表だと値が大きく動く
- FOMC終了後に声明文が発表され、30分後に議長の記者会見がある
- FOMC終了後3週間後には議事要旨が発表される
FOMCの声明文の発表や記者会見は日本時間の深夜に行われるため、ついうっかりポジションを持ち越してしまうと、市場が大きく反応した時にスプレッドが広がって浅めにロスカットを設定していると刈られたりすることもありますので、FOMC開催日のポジション持ち越しにはご注意ください。
FXで重要な他の経済指標についても、以下の記事でまとめてありますので、ご参考ください。