みなさんは、FXで資金管理について考えたことはありますか?
ある程度テクニカルの知識などが付いてくると、徐々に資金管理の重要性に気付くかと思います。
資金管理について調べている中で、「バルサラの破産確立」のことを初めて知る方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「バルサラの破産確立」について、以下のような疑問や悩みに応えられるよう説明しています。
- バルサラの破産確立とは何か知りたい
- 自分のトレードルールの破産確立を知りたい
- 破産確立を下げる方法を知りたい
- バルサラの破産確立から何を注意すればいいのか知りたい
記事内でトレード枚数管理に関する注意点なども説明していますので、ご一読ください。
バルサラの破産確立とは?
バルサラの破産確立とは、数学者のナウザー・バルサラが考案したもので、トレードの勝率、損益率、1回のトレードでリスクにさらす資金比率から、どの程度の確率で破産する可能性があるかを算出したものになります。
FXを続けていくと、どこかで資金管理のことについて考えるようになります。
その時に必要となる考え方が「バルサラの破産確立」です。
よくネット上で見かけるのが以下のような表です。
上図は、リスクにさらす資金比率2%の場合の破産確立表です。
リスクにさらす資金比率が変わってくると、破産確立も変わってきます。
このバルサラの破産確立表に、自分のトレードの勝率、損益率を当てはめると、破産する確率が何パーセントかを知ることができます。
勝率
「勝率」は、勝っているトレード数が総トレード数に対してどれ位の割合かを導き出すものです。
例えば、トレードを10回行って6回勝っていれば勝率は60%です。
勝率 = 勝ったトレード数 ÷ 総トレード数
もちろん、勝率が高いに越したことはありませんが、コツコツドカンと言われるように、勝ちトレードの額に比べて、1回の負けトレードの額が大きければ、勝率が9割あったとしても、トータルでは負け越してしまうこともあります。
損益率
「損益率」とは、勝ちトレードの平均pips数が負けトレードの平均pips数に比べ、どれ位の比率かというものです。
「リスクリワード比」や「ペイオフレシオ」などと言われることもあります。
勝つ時の平均獲得pips数が20pipsで、負ける時の平均損失pips数が10pipsであれば、損益率は2となります。
損益率 = 勝ちトレードの平均獲得pips数 ÷ 負けトレードの平均損失pips数
つまり、損益率は数値が高くなれば高くなるほど、勝つときの獲得pips数の方が負けた時の損失pipsに比べ高いということになります。
いわゆる「損小利大」を意識して、勝率と合わせて、この損益率も高めていかないとトータルで勝ち越すことができません。
リスクにさらす資金比率
「リスクにさらす資金比率」は、1回のトレードで、今ある資金の額に対し、何%の額をリスクにさらしているかというものです。
例えば、資金100万円の時の1回のトレードでの損失を2万円までと考えるのであれば、リスクにさらす資金比率は2%となります。
リスクにさらす資金比率 = 1回のトレードの許容損失額 ÷ 資金額
一般的には1回のトレードでリスクにさらす資金比率は2%以内に収めるのが理想的と言われています。
その時のチャート状況や、エントリーする場所などによってロスカット幅は変わってきますので、その時々のトレードで、リスクにさらす資金比率が2%以内に収まるようにトレード枚数を調整していく方がいいかと思います。
以下は、OANDA JAPANのホームページ上に掲載されている内容ですが、勝っているトレーダーの方が、リスクを抑えたトレードしている傾向があり、いかに1回のトレードでロスカットする額の比率を小さくすることが重要かが伺えます。
その他確認すべきポイント
上記に加え、重要な要素になってくるのが「自分が破産と考える金額」です。
FXの場合、証拠金が必要になりますので、0円になるまでトレードを行うことはできません。
レバレッジ25倍で1ドル100円だとしても、1万通貨の場合の証拠金は最低でも4万円必要になります。
そのため、現在の資金が10万円の場合、60%のドローダウンが起きると破産となってしまいます。
これらも踏まえて、現在の自分の破産確立を知っておいた方が安全です。
「バルサラの破産確立」計算機
バルサラの破産確立を求める計算式は複雑な数式になりますが、以下のようなサイトを利用すると数値を入力するだけで簡単に計算できます。
使い方は以下の通りです。
色々なサイトでこのような自動計算ができるのですが、同じ数値を入れても微妙に結果が変わってきます。
恐らく、試行回数などの違いからだとは思いますが、結果自体は大体の目安として把握する程度で大丈夫です。
目安としては、破産確立1%未満が望ましいと言われています。
この破産確立は、あくまで計算上のものですので、破産確立0%だからと言って、絶対に破産しないというわけではないので、過信しすぎないよう目安程度で考えた方がいいかと思います。
勝率や損益率、1回のトレードでリスクにさらす資金比率なども随時変わってくると思いますので、たまに現在の破産確立を把握した方がいいでしょう。
バルサラの破産確立から言えること
トレード記録を付ける
以上のことから分かるように、本気でFXで稼ぎたいと思うのであれば、自分のトレード記録を付け、勝率と損益率を常に把握し、できるだけリスクにさらす資金比率を下げることが必要です。
1か月トレードして、お金が減った、増えただけではなく、毎回のトレード記録をExcelなどで管理し、すぐに自分の勝率や損益率が分かるようにしておくことをお勧めします。
もし、現在の自分の勝率、損益率から計算すると破産確立が1%以上になってしまう場合、トレード手法を見直し、勝率か損益率を上げれるようにトレードルールを変えていく必要があります。
リスクにさらす資金比率を確認する
リスクにさらす資金比率を下げる
バルサラの破産確立で見落としがちなのが、リスクにさらす資金比率です。
まず、基本的に1回のトレードで資金の何%までリスクにさらしているのかを確認する必要があります。
資金10万円でのトレードなのに、1回のロスカットが2万円となると、20%の資金をリスクにさらしていることになりますので、破産する可能性は高くなります。
その時は、トレード枚数を下げたり、トレードスタイルを変えたり、場合によっては資金量を増やしたりしてリスクにさらす資金比率を下げるよう改善する必要があります。
陥りがちな罠
FXで稼ぐには、いずれはトレード枚数を増やしていく必要があります。
そのトレード枚数を増やすときに、以下の図のように資金額を基準に枚数を増やしていくことを考えると、いつまで経っても同じところを行ったり来たりする可能性があります。
「最初1万通貨から初めて、15万円になったら2万通貨に増やす」というようにした場合、徐々に資金が増えていき、15万1500円まで増えたので、トレード枚数を2万通貨にしたとします。
しかし、1800円負けてしまい、14万9700円になったので、再度トレード枚数を1万通貨に下げたとします。
このように15万円を境にトレード枚数を変える場合、15万1500円から15万円を切るまでの資金は1500円しかなく、それに対して、1回のトレードでリスクにさらす資金比率も高くなってしまうため、高確率で15万円を下回る金額に戻ってしまいます。
このように、一定の資金額を境にトレード枚数を増やす戦略を取っていると、いつまで経っても同じところを行ったり来たりする可能性があります。
バルサラの破産確立まとめ
バルサラの破産確立についてまとめると、以下のようになります。
- バルサラの破産確立は勝率、損益率、リスクにさらす資金比率から破産確立を導き出す
- 勝率や損益率も大切だが、1回のトレードでリスクにさらす資金比率を下げることも重要
- トレード記録は常に付け、自分のトレードの勝率と損益率はしっかりと把握する
- バルサラの破産確立から破産確立1%以上になるようであれば、トレードルールを見直す
- 枚数戦略は、資金額を境に上げ下げすると、何度も同じ所を行き来する可能性がある
FXは資金管理だけで勝てると言っている人もいる位、資金管理は重要です。
トレード手法を一通り学んだら、資金管理についても以下のような書籍などを一読してみるのもいいでしょう。